今回はスタジオクオリティのマイクプリアンプ・コンプレッサー等で有名なFMR audioのペダルタイプのエフェクター「ARC」の紹介です。
昨年末に一度車上荒らしで盗まれる、という悲劇を味わったのですが、また中古で購入しました。
ブースター、DI、コンプレッサーの3役をこなす優れもの。
コンプレッサーはDriveつまみ一つという潔さですが、Inputレベルとの関係で、薄くかかったり強くかけたり自由自在。
コンプレッサー部のクオリティは、同社のラックタイプの製品と同じといっても過言ではない位の仕上がりです。
レコーディングでは、ギター、ベース、鍵盤、ヴォーカル、ドラム、さらにはDAWからのエフェクトループでの使用もできるという位の高品位な商品です。
値段も40,000~50,000円位が相場で、結構な値段します。
基本的には、InputとDriveでコンプレッサーとDIレベルを調整し、Outputでブーストレベルを調整という使い方。
LEDのインジケーターでコンプレッションのかかり具合を視認できます。
強くかけても決して不自然にならず、ヘッドルームも広いので、常識的なセッティングでは歪む心配は皆無。
かなりオーディオ的な掛かり方なので、原音重視派にはこれ以上ないと思います。
ただ難点が3つ程・・・。
9Vアダプタ駆動ですが、450mAが最低必要で、通常のBossのPSA-100等で単独使用なら使えますが、これが難点。
電源環境に非常にナーバスで、供給電流は十分なはずのパワーサプライとかでは、電源ノイズが出ます。
こいつ専用にアダプタを用意しないと使えません。(多分、サプライとの相性の関係もあるのかな)
なので、ボードに組み込む時には別途電源を確保する必要が出てくると思われます。
そこがちょっと問題で、自分はほかのプリアンプとかと一緒に使う際は、利便性を考慮してMaxonのコンプを使ってます。
あと、DI使用する際は、卓からファンタム供給されていると使えません。
他の楽器がファンタムを使用している際(コンデンサーマイク等)は、チャンネル毎にOn/Offができるミキサーじゃないとだめなので、事前にしっかり確認してから持ち込む必要があります。
あと地味に厄介なのが、通常のエフェクターと、ジャックのInputとOutputの位置が逆(笑)。
これは案外使いにくい。
Lプラグだとどうしても繋ぎにくく、S/Lのパッチケーブルでなおかつ30cm位のものが必要です。
音質は素晴らしいのですが、上記の難点とどう付き合うかで、購入の必要性を考えるべき商品ですね。
自分は、運が良ければライブで使える、基本的にはレコーディング専用と割り切ってます。
ただ、普通の安いDIや、アウトボードプリ等についてるDIを使うのと比べると、その音質の差は歴然。
一度レコーディングで使用すると手放せない、というくらいの利便性です。
お勧め度はかなり高いですが、難点もある、という悩ましいエフェクター。
レコーディング専用と割り切るなら、他に同価格帯で良いものはたくさんありますから、あえてペダルタイプを買うということは、ライブでの使用を想定しているということにもなり、難しい選択です。
自分なりの結論を出すならば、
自分で他の楽器も弾いて自宅でレコーディングする機会も多いギタリストかベーシストで、エフェクターこいつ一個しか使わない。さらにはライブで使えない環境があっても代わりの機材をもっている人。
にしかお勧め出来ないという事になりますか。
ギター専用やベース専用と限定するならばもっと無難な選択肢があります。
そう考えると、かなりお勧め出来る人が限定されちゃうな(笑)
そこまで在庫が流通しているものでもないので、試奏する機会もあんまりないと思うので、万人にお勧めできるものではないのかなー。
40,000円あれば、そこそこのプリアンプとそこそこのコンプ買えますからね。
結論の曖昧なレビューになっちゃいましたが、検討されている方の参考になれば幸いです。